新聞記者として works
古賀の思い出

──原点

古賀は僕のふるさとです。

タケノコを掘り、ツクシをとり、アジサイの葉に乗るカタツムリをずっと見ていた。田んぼのカエルの鳴き声を聞きながら眠り、タヌキを餌付けした。川のせせらぎを聞きながら、ホタルの光に目を奪われた。ザリガニを釣った。田んぼに自転車ごと突っ込んだ。秋の林で栗を拾った。校庭や公園で、雪だるまをつくった。初日の出を、鹿部山の頂上で待った。

友だちと遊び、祖父母や両親、妹と暮らした、このまちの風景です。高校生のとき、古賀は「町」から「市」になりました。人口もどんどん増えました。博多に近い、住むのにもってこいの場所。なのに、「古賀は何もないまち」という声を聞きます。山の緑、海の青、そこに映える夕陽。地域の伝統行事も明るく息づいている。大学や仕事で、東京、大阪に暮らした私は、魅力にあふれた古賀の豊かさをあらためて感じています。

それぞれの魅力をひとつにつないだら、このまちの暮らしの「彩り」をもっと豊かにできる。このまちは変わる。そう確信します。このまちを、ひとつにしたい。

夏、3歳の息子と花見の海岸を歩きました。息子はびしょびしょになって、はしゃいでいました。このまちの子どもたちが、このまちに育ってよかった、いつか帰ってきたい──。そう思える古賀をつくります